Matのジオログ
『My ブログ』
《考古学&古代史の諸問題》
《参考:年表・資料》
≪推理結果の締めくくり≫
「時」と「ことばの訛り」についての注意は、
本書でお話しした神話の登場人物についても例外は許されない。
納祇王やスサノオ命や高朱蒙が、実在したことは明らかであり、
鹿児島県に、その活躍舞台があったことも間違いないが、
それが「何時」ということになると、
何一つ正確に検討した訳ではない。
ただ漠然と、日本と三韓の、
古代国家が発生しはじめた当時、
といった程度の時間がわかるに止まる。
それはオキノ島と沖縄との関係についても同じことが言える。
沖縄が常にオキノ島であったわけではない。
稲葉の素菟のモデルになった事件があった当時、
オキノ島は現在の沖縄本島であったか、
それとも倭人の王達と共に、
もっと他の地点へ移動していたか、まだ、結論が出たわけではない。
ただ、はっきりしたのは、九州に実在した二ヵ所のシラのうち、
鹿児島県のシラに対するオキノ島は沖縄であったことである。
神功皇后紀の新羅王子逃帰事件は、
朝鮮の史書である三国史記によると、
5世紀はじめの事件になっている。
これをそのまま信じるとすると、
応神天皇の母としての神功皇后時代と、
107年に漢の都へ行った応神天皇と同じ系譜をもつスサノオ命とほ、
四百年のくい違いが生れることになる。
このことを考えずに、
名前の一致だけで何もかも謎がとけたと思いこんでしまっては、
おしまいである。
私たちにとっては、この四百年の差という事実が、
また新しいカギになって、
さらに不明だった歴史の真相が現われてくる。
あわてて、結論を出そうとさえしなければ、
どんなにややこしく、からみ合った謎も、
きれいにとける時がくるのである。
いま私たちは日韓古代国家が、鹿児島県に産声をあげた、
という貴重な手がかりを得た。
次に必要なことは、飛躍した5世紀の状態でなく、
時代はともかくとして、
その手がかりが、真実か、錯覚かを、
もっと確実な答えが出るまで、ダメ押しをすることである。
それが、本書の総仕上げである。
残り少い紙面を有効に使って、
次は推理のシメククリの技術を身につけて戴こう。
先ず第一に考えることは、裏づけはどうすれば可能か、
ということである。
私たちは、
これまで主として『記・紀』にもとづいて研究を進めてきた。
それによって生れた答えは、
全く別の人々によって書かれた記録と一致した場合、
はじめて信頼できるものになる。
そしてその記録が、単に別人というだけでなく、
全く利害関係のない人々、お互いに相手を知らずに、
別々に記録されたものであれば、一層信頼性を高めることができる。
私共は『記・紀』の分析から、
意外にも高句麗を含めた広義の三韓の歴史を発見したのであるから、
当然、三韓(広義の)の史書を調査せねばならない。
この場合、いまお話ししたように、
『記・紀』の筆者や大和朝廷と無関係なものであるほど、
良い資料だということになる。
朝鮮の歴史ということになると、
中国の史書には大てい登場するが、
「春秋」や「史記」の「朝鮮列伝」から「前漢書」までには、
三韓時代とは全く別の
<箕子(キシ)朝鮮>や
<衛満朝鮮>の記事しかなく、
「魏志」、「魏略」以後のものを見る他ない。
だが、もっと充実した、
そして『記・紀』や大和朝廷とグルになって作られた恐れのない、
素性のはっきりした三韓の史書が二つある。
それが、いま話したばかりの
『三国史記』と『三国遺事』である。
前者は12世紀の高麗の史官、
<金富軾(コムプシ)>の選修になるもので、
いわば『日本書紀』に似ており、
後者は13世紀末、
丁度元寇当時の高麗の僧、<無極一然>の著書で、
『三国史記』を補うような形をしており、
古事記と似た働きをもっている。
このほか李朝の<徐居世>の『東国通鑑』が詳しく、
他にも先に引用した『東国輿地勝覧』
その他、文献史料は少くない。
※出典:異説・日本古代国家・253~255頁
≪参考リンク≫
『古代史獺祭』
『三国史記』
『三国遺事』
『三国遺事』
『電子大藏經』
『倭・倭人関連の朝鮮文献』
『朝鮮の歴史』
《参考》
ARPACHIYAH 1976
高床式神殿、牛頭、空白の布幕、幕と婦人、マルタ十字紋等
(アルパチア遺跡出土の碗形土器に描かれている)
牛頭を象った神社建築の棟飾部
本生図と踊子像のある石柱
Tell Arpachiyah (Iraq)
ハラフ期の土器について
ハブール川
ハブール川(ハブル川、カブル川、Khabur、Habor
、Habur、Chabur、アラム語:ܚܒܘܪ, クルド語:Çemê Xabûr, アラビア語:نهر الخابور Bahr al-Chabur
ARPACHIYAH 1976
高床式神殿
牛頭を象った神社建築の棟飾部
神社のルーツ
鳥居のルーツ
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